公益社団法人 日本水環境学会
水環境懇話会 活動報告

活動報告

第26回 水環境懇話会(平成22年8月21日)

パネルディスカッション 開催

今回は、「水関連事業の国際展開と産官学連携」をテーマに掲げ、懇話会初のパネルディスカッションを行いました。
話題提供者及びディスカッションコーディネータに厚生労働省健康局水道課の熊谷氏、パネリストには海外の水関連事業について豊富な知識・ご経験をお持ちの4名の方々にご参加頂き、参加者からのご意見・ご質問も取り込んで、活発な議論を展開いただきました。
下記に、話題提供及びディスカッションの概要を紹介いたしますので、どうぞご覧ください。次回も、皆様のご参加をお待ちしております。

話題提供

熊谷 和哉氏
(厚生労働省健康局水道課)
「水ビジネスと国内外マーケット(その概況)」

<概要>
水関連事業の国際展開において何が重要か、何が課題かといった観点から、マーケットの現状及び事業展開の方向性についてご説明頂いた。
国際展開において重要なことは、予め、原資の獲得方法、ローカルルール及び事業の持続性の確保等を正確に分析することであり、悲観的な考えから単純に国際市場に出て行っても具体成果は難しいと力強くお話頂いた。

 
厚生労働省健康局 熊谷様   会場の様子

パネルディスカッション「水関連事業の国際展開と産官学の連携」

コーディネーター
熊谷 和哉氏(厚生労働省健康局水道課)
パネリスト
川名 薫氏(横浜市水道局)
北原 久裕氏(株式会社 ジャパン・ウォーター)
高橋 千里氏(合同会社 スマート・ウォーター)
山家 勝裕氏 (メタウォーター株式会社)

<概要>
引き続き、話題提供を頂いた熊谷氏にコーディネータをお勤め頂き、「水道関連事業の国際展開と産官学連携」について4名のパネリストにお考え・ご経験を伺った。

(1) 行政の視点
川名氏は、横浜市水道局において、「横浜ウォーター株式会社」の立ち上げに尽力される等、横浜市水道局の長年培ってきた技術力・ノウハウ等の活用に取り組まれてきた。これら取り組みの中で認識された国内外の水道事業の課題、将来の経営基盤の強化への取り組みについてお話し頂いた。
(2) 企業(商社)の視点
北原氏は、三菱商事株式会社にてインフラ、環境関連プロジェクトなどに従事された後、株式会社ジャパン・ウォーターの代表取締役として水道事業の施設の設計・工事も含めた運転管理委託を手がけられている。水道民営化の事例をご紹介頂くとともに、海外で他国企業と競争し事業展開を行うには、国内でPPPを創出し、その経験と実績も踏まえて打って出るが必要であること等についてお話し頂いた。
(3) 企業(外資系水道会社経験者からの視点)の視点
高橋氏は、前職のヴェオリア・ウォーター・ジャパン株式会社にて広島市の下水道包括委託事業等に携わられた後、今年6月、合同会社スマートウォーターを設立された。多くの現場を見ていらっしゃったご経験から、日本企業が海外で直面するであろう課題についてご紹介いただいた。また、イノベーションの必要性についてお話し頂いた。
(4) 企業(メーカ)の視点
山家氏は、メタウォーター株式会社において欧州を中心とした上下水道調査、水処理装置の海外販売などに従事されたご経験を持つ。山家氏が現場で体験された問題等を取り上げ、メーカーが海外展開を目指すためには、リスク管理能力やマネージメント能力が重要であることをお話し頂いた。
(5) 学術界との連携
山家氏から、研究所や大学との共同研究が事業の国際展開に繋がった事例をご紹介いただいた。
また、聴講者から、日本で学んでいる留学生と大学/研究室との繋がりを今後の水ビジネスに活かしていけるのではないかとのご意見を頂いた。

 
川名 薫様(横浜市水道局)   北原久裕様(株式会社 ジャパンウォーター)
     
 
高橋 千里様(合同会社 スマートウォーター)   山家 勝裕様(メタウォーター株式会社)
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