公益社団法人 日本水環境学会
日本水道新聞掲載コラム > 水環境懇話会 活動成果

連載 水環境懇話会の活動と成果

〈第10回〉わが時代の活動⑧

代表幹事 井上 大輔氏
つながりを次世代に

 私が水環境懇話会(以下懇話会)に参加することとなったのは、メタウォーター設立前の富士電機に勤務していた時代に星川寛氏(現日本水環境学会事務局長)から、当時懇話会の代表幹事であった富士電機の山口太秀氏の後任としてお誘いを受けたことがきっかけでした。この時期、私は北米の上下水道向けオゾン装置の拡販から受注後のエンジニアリング、納入調整全般に携わっていたので、特に国内で業務を進めている同年代の仲間と出会う機会をいただいたことは大きな喜びであったことを覚えています。
 懇話会は、若手技術者等が気楽に参加でき、知識や技術の習得に役立ち、加えて、会員相互の交流を深める場を提供することを目的としています。参加を始めた当初は、本会の主旨の通り、参加者の熱意や意識の高さに感心していました。また懇話会終了後の意見交流会という懇親会を通じ、日常業務では話をする機会が少ない者同士でも、この時ばかりは水環境に携わるという同じベクトルを持つ仲間として議論を重ることができました。
 2007年に初めて参加して以来、気付けば現在の幹事メンバーの中では最もキャリアの長い立場の1人となりました。また機会をいただき昨年より代表幹事を務めさせていただくことにもなりました。当時、幹事メンバーの交代が相次いだことから、若い世代の幹事の負担を少しでも軽減できるような仕組みを作ること、また講演内容の決定や開催時間等の工夫などといった点で若い彼らならではの意見やアイデアを積極的に取り込んでいくことを意識して現在活動しています。
 2014年に開催した懇話会の活動では、その役割を固定することなくメンバーに幹事業務を一通り経験していただき、将来的にはお互いで補完ができるものと感じております。さらに加えて、田畑氏、豊岡氏、山口氏をはじめとする先輩幹事の皆さま方には、折に触れてアドバイスをいただき、時には本懇話会のためにご多忙にも関わらず集まって相談に乗っていただくなどご支援をいただいております。懇話会の今後の発展、継続に微力ながらも尽力させていただきたく考えておりますので、今後とも皆さまの変わらぬご支援ご協力をお願いします。
 私個人としては、懇話会で得た知識に加えて、人脈は何にも代えられないものとなっています。海外出張先においても議論を重ねビジネスの種を得ることができ、またふとした日常業務に関する疑問点を相談する相手もたくさん増やすことができました。幹事として参加を重ね、また年を重ねるにつれ、この懇話会で得た繋がりを少しでも次の世代に引き継いでいきたく、社内をはじめとした若手に参加を呼びかけ続けています。この懇話会の全ての若手参加者にとって、5年後、10年後に第一線のフィールドで活躍できる、また活用できる実力や横の繋がりを育むきっかけとなればと考えております。
 懇話会では毎回、各分野の若手研究者・技術者または官公庁の方に話題提供をいただき、活発な意見交換や情報交換を行っています。若手参加者の方からすると普段の業務とは離れた話題になることもあるとは思いますが、視点を変えれば新たな刺激を受け、自身の業務を多方面から見直すきっかけにもなると思います。今後、広い分野の数多くの方の参画を得て、魅力ある有意義な懇話会に育てていきたいと考えておりますので、どうぞ奮ってご参加ください。
 最後になりますが、懇話会を開催するに当たり、星川氏をはじめとする日本水環境学会事務局の皆さま方におかれましては会場設営など多大なご協力をいただき、この場を借りて御礼申し上げます。

(メタウォータープロダクトセンタープラント設計部プラント設計グループ)

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