
2023年度活動報告
- 1. 研究委員会名
- 生物膜法研究委員会
- 2. 会員数
- 13名
- 3. 主な活動内容
- 第26回日本水環境学会シンポジウム(9月、大阪大学)において環境再生保全のための水循環および資源循環における高度化適正方策と題するセッションを開催した。
- 環境省:環境インフラ海外展開プラットフォームでの国際展開を強化してきている。国際的な展開として国内およびベトナム、中国等における方向性は、生物膜法研究委員会で検討した自動制御生物相安定化電力削減高度化システム処理技術等が新技術として提案され、水環境修復に貢献しつつある。同時に、沈水植物浄化技法について、『いさはや新池』などでの導入による生物膜の原理を活用した生態工学水質浄化技法の展開を、水上太陽光発電を目途とした太陽光パネル下の沈水植物の遮光下の成長特性解析を含めて取り組んでいる。また、生物膜法研究委員会の取り組み状況と今後の開発方向などを日本水環境学会誌で公表した。前年度に引き続いて、継続的に実施した。
- 4. 今後の予定
- 第27回日本水環境学会シンポジウム(9月、岩手大学)において、「環境再生保全のための高度処理浄化に資する新たな研究開発・解析評価の動向」と題するセッションを開催する。
- 生物膜法研究委員においては、生態環境における健全な水循環の質的量的確保を視野に入れて、流域保全再生のために生物膜法を広義の意味としてとらえ、環境低負荷資源循環型省エネルギー高度化システム構築を目途として、震災地域の復興も視野に入れた公共の閉鎖性水域、河川等に流入する汚濁負荷源の生活系、産業系、事業場系等に由来する高濃度排水、生ゴミディスポーザ排水、低濃度汚濁水を処理対象とし、自然再生可能エネルギー利用も踏まえた高度・効率化を目指したコベネフィット型の生物膜技法を導入応用した技術開発評価と効果解析・普及促進に向けて推進することとしている。同時に、アジア地域をはじめとする中国・ベトナム等および国内外を対象として、電力削減型で、窒素・リン除去型で、更には派生汚泥の資源化循環リサイクル可能型の流域保全再生健全化に貢献できる、高度化生物膜技法を国際的な環境再生保全に貢献できるようにすることを目的として、前年度に引き続き環境再生保全対策を国際的に展開することとしている。
- 水環境保全再生において、生物処理工学としての有用微生物を活用した微生物固定化、包括固定化、自己造粒法等の重要な技法の省エネ・温室効果ガス削減のバイオエンジニアリング、更に生態工学技法としての植生浄化、土壌浄化等による緩衝帯技術導入による水域の水質向上を目途としたエコエンジニアリングと、補完的に物理化学的処理技法と組み合わせて流域に適正配備する環境再生保全バイオエコシステムの広義の活性汚泥法とを組み合わせた生物膜法システムを研究開発・評価対象として、文献収集解析を含めて実施する。バイオエコシステムの国内外展開を目的として、浄化に貢献する微生物、水生生物、水生動物の機能に着目した基礎的応用的観点に立って、その高度・効率化を目指した更なる新たな研究展開を取り込み、研究活動を強化することとしている。
- 更に、微生物生態系からなる生物膜法等を活用したシステムにおける、生物反応に必要とされる必要酸素量を最小限にする自動制御システム技術、電力削減・温室効果ガス削減・水質の超高度化、汚泥の減量化農業有効利用方策等のコベネフィット型技法の普及展開を民間企業等と連携して図り、水環境再生保全のシステム技法を国内外に定着させることを重要な位置づけとしていくこととする。なお、微曝気撹拌時の電力使用量を加え「電力削減率を60%」と設定すると、安定した水質を維持できると共に大きなコストメリットが試算され、大きな成果が得られていることから、生物膜法でのさらなる展開を図ることとする。同時に、生物反応の高度効率化のために、経験と勘に頼るマニュアル法の限界を踏まえて自動制御の導入を強化推進し、環境省:環境インフラ海外展開プラットフォームでの国際展開を強化していくこととする。また、SDGsに貢献する水生植物の緑肥化、バイオマスの炭化によるバイオ炭化を踏まえたCO2の土壌貯留、再生可能エネルギーとしての水上太陽光発電において、遮光下で成長可能な沈水植物との共生による地域エネルギー生産と環境再生保全両立化、生物膜法などでなどで浄化に貢献する微小動物などに着目した生物相から見た処理機能の診断などの研究開発を推進する。
- 更に、NPO法人バイオエコ技術研究所を中核機関として、生物膜システム技法の環境保全再生への展開を図ることとしている。
- 本年度は、前年度に引き続き産官学の有機的連携のもと研究成果の相互の情報交換を含めた意見交換会と、シンポジウムを開催することとする。
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