公益社団法人 日本水環境学会
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汽水域研究委員会

2021年度活動報告

1. 研究委員会名
汽水域研究委員会
2. 会員数
27人
3. 主な活動内容
第24回日本水環境学会シンポジウム(9月,オンライン)で「陸から海へ:淡水・汽水・海水域の独自性と共通性」と題するセッションを開催した.見学会・講演会を企画していたが,新型コロナウイルスによる規制により開催を断念した.
会員相互の交流・親睦機能に加え,汽水域に関心を持つ一般の方の情報源となることを目指したホームページを開設し,ホームページには会員限定で閲覧できる場所に,汽水域に関係する論文などの資料をアップして便宜を図っている.ホームページには一般の方もアクセスできる「情報コーナー」に汽水に関する情報を掲載している.
4. 今後の予定
第25回日本水環境学会シンポジウム(9月)で「地球温暖化を巡る水環境の現状・課題と対応」と題するセッションを熱帯・亜熱帯地域水環境研究委員会との共催で開催する.
2022年4月2日現在,未だコロナウイルスの収束は見えず,加えてロシアのウクライナ侵攻,その是非を巡る対処で,世界の汽水域コミュニティの統合も見えない状況にある.こういった状況を鑑み,2022年度は国内汽水研究者コミュニティの中で,いずれは世界の分断が終わると見越した活動の芽を探る予定である.
2022年度は未だどこまで海外連携できるのかが見通せないため,上記観点から特に若手に対して,日本の汽水域研究の重要性に関する啓発に取り組む.平行してコロナウイルス感染症が収束次第,米国のASLOやEUのEuroLagとの対面での交流を図る.
具体的には諫早湾締切,八郎潟淡水化,霞ヶ浦淡水化,長良川河口堰といった,連続する水系を分断した事業の当時のニーズと現在顕在化した問題の整理,そこに複合した地球温暖化の影響である.
人類の多くが平野部に住み,大陸では少なくとも海岸線から100kmが汽水域である.日本ではマイナーな汽水域は,実は人類の多くが切実な問題を抱えている地域である.日本はこの箱庭的な狭さの中で,潮位差がけたたましい有明海から,ほとんど潮位差がない日本海側という,両極端な汽水域を有す特異な位置にある.こういった陸―海の位置にあり,かつ北海道という寒冷帯から,沖縄を含む南の島嶼地域を含む緯度範囲を有するのは,アラスカからフロリダを有するUSA以外にはないだろう.我が国での汽水域研究はその特異性から逆に,世界の汽水域の問題を解決する回答を準備できる.
昨年度に引き続き,汽水域委員会のホームページの会員限定でアクセスできる場所に,汽水域に関する論文や書籍などを格納する.
研究委員会HP「汽水域のひろば
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