※数字は号数-通巻頁数を示す。
■巻頭言
活性汚泥モデルと地球環境 | 味埜 俊 | 1-1 |
自治体の環境モニタリングに期待すること | 永淵 修 | 2-61 |
気候変動に備える新たな水資源 | 田中 宏明 | 3-119 |
水源環境の保全・再生に向けた予見的な行動へ | 古米 弘明 | 4-171 |
閉鎖性海域の水環境保全・再生について | 岡田 光正 | 5-225 |
名古屋での第42回日本水環境学会年会を終えて | 片山 新太 | 6-283 |
多自然川づくりと社会的合意形成 | 桑子 敏雄 | 7-333 |
簡易測定技術の様々な活用への期待 | 古武家善成 | 8-409 |
より安全で持続可能な水道を目指して | 国包 章一 | 9-495 |
環境評価と精度管理 | 松藤 康司 | 10-571 |
微量化学物質汚染の測定・管理の基本的考え方 | 浦野 紘平 | 11-629 |
日本水環境学会シンポジウムのさらなる情報発信力の強化を | 和田 安彦 | 12-721 |
■特集
活性汚泥モデルの次の一歩
2000年5月号で「実利用が見えてきた活性汚泥プロセスシミュレーション」の特集が組まれてから7年が過ぎたが,この間,活性汚泥モデルということばは十分に浸透し,実務利用のためのノウハウも蓄積されてきた。一方で,活性汚泥ブラックボックスを微生物学的あるいは生化学的な観点から探索する研究が精力的に行われてきており,知見が集積されつつある。本特集では,活性汚泥モデルの実務利用の現状や課題,2005年9月に組織されたIWA Task Group on Good Modelling Practiceの活動の動向を紹介したうえで,生物学的リン・窒素除去における現行のモデル表現の脆弱性と今後の研究のポイントを整理するとともに,数値流体解析(CFD)を導入することによる新たな展開について紹介し,今後,活性汚泥モデルが向かうべき方向を考えてみたい。
(担当編集企画委員 山梨大学大学院・藤田 昌史)
活性汚泥モデルの実務利用の現状と課題 | 糸川 浩紀 | 1-2 |
IWA Task Group on Good Modelling Practiceの動向 | 大月 孝之 | 1-8 |
生物学的リン除去の不安定性とモデリング | 齋藤 利晃 | 1-13 |
分子生物学的手法を利用した硝化反応モデルの開発 | 藤田 昌史 | 1-17 |
数値流体解析(CFD)と活性汚泥モデルの融合 | 豊岡 和宏 | 1-21 |
効率的で適正な環境モニタリング
地方自治体の環境研究機関(地環研)は,地域に密着した第一線の現場で,これまで,多くの環境問題を解決してきた。しかし,最近の状況は厳しく,予算シーリング,人員削減に加え,構成員も団塊の世代が多く,その大量退職後は,統廃合,独立行政法人化等の動きの中で,今まで以上に予算,人員等が厳しいものとなることが予想される。そのような中で,今まで通り,地環研が,地域環境と密接に向かい合い,環境評価の役割を果たしていくには,構成員の覚悟と,手法の工夫が必要であると思われる。そこで本特集号では,この厳しい状況において,効率的で適正な環境評価を実施していくための,オンサイト分析手法及び汚染シミュレーション等によるサンプリング地点の効率化とその選定法などについてご執筆いただいた。
(担当編集企画委員 神奈川県環境科学センター・三島聡子)
地方環境研究所における現状と課題―適切な環境モニタリングを目指して― | 服部 幸和 | 2-62 |
土壌・地下水汚染対策調査のための適正なサンプリング地点の選定方法 | 宮下 雄次 | 2-67 |
水質モニタリングの現状と水質評価モデルの活用 | 川原 博満 | 2-72 |
土壌・地下水汚染評価におけるオンサイト分析 | 吉川 裕泰 | 2-76 |
リアルタイム計測による水環境測定の現状と動向 | 岸本 直之 | 2-80 |
下水処理水の再利用促進に向けて
近年,都市における下水処理水の再利用は伸び悩んでいる。個別循環システムの普及や節水型家電機器の普及による水需要の伸び悩みと渇水の減少傾向が背景にあると推定される。しかしながら,健全な水循環回復に向けて,下水処理水の再利用を促進するべきである。本特集では,まず,国土交通省より全国における下水処理水の再利用の現状,平成17年に策定された下水処理水の再利用水質基準を紹介する。次に下水処理水再利用に積極的に取り組んでいる自治体の事例紹介と再利用促進に当たっての課題整理をお願いする。また,海外の参考事例として,急速な経済発展に伴う水資源不足に直面している中国の北京市,再利用が進んでいる米国カリフォルニア州の状況について報告していただく。これらの情報をもとに本学会においても下水処理水再利用に関する議論が展開されることを期待する。
(担当編集企画委員 国土交通省国土技術政策総合研究所・松宮 洋介)
わが国の下水処理水再利用の現状と再利用水質基準等マニュアル | 南山 瑞彦 | 3-120 |
よみがえる水―東京都における「下水処理水」の更なる活用について― | 中島 義成 | 3-125 |
福岡市における再生水利用の現状と促進に向けた課題 | 管谷 悌治 | 3-130 |
北京市の下水処理と再利用析 | 黄 霞,周 海東 | 3-135 |
米国カリフォルニアにおける下水処理水再利用 | 山縣 弘樹 | 3-140 |
水源保全に向けた水源税の動向
森林の荒廃,地方自治体への権限委譲,財政難などを背景に,水源税や森林環境税を導入する,あるいは導入予定の自治体が増えている。 これにより,地方自治体が水源域の保全を行ううえで独自財源を持つことになるが,一方でさまざまな課題も指摘されている。 そこで本特集では,水源税や森林環境税の具体的な導入事例とその導入に係わるプロセスや生じた問題を紹介するとともに,水源林経営,地方環境税,流域管理などさまざまな視点から水源税の意義と課題についてご紹介いただいた。
(担当編集企画委員 東京大学大学院工学系研究科・荒巻俊也)
水源林の経験を学び,活かす―東京都水道局の事例から | 泉 桂子 | 4-172 |
地方環境税としての水源税の根拠と制度設計 | 諸富 徹 | 4-178 |
高知県における森林環境税―これまでの課題,そして次期対策のあり方― | 遠山 純人 | 4-182 |
かながわの水源環境の保全・再生をめざして ―水源環境保全・再生の計画と税制の概要― | 神奈川県企画部土地水資源対策課 | 4-186 |
水源税と流域環境経営 | 宮本 善和 | 4-190 |
閉鎖性海域の環境保全の現状と課題
人口,産業が集中する広域的な閉鎖性海域の水質汚濁を防止するため,昭和53年に「水質汚濁防止法」および「瀬戸内海環境保全特別措置法」の改正により水質総量規制制度が導入された。その後5次にわたる規制が実施され,平成18年11月には第6次の総量削減基本方針が策定された。本特集では,閉鎖性海域の環境保全についての国,地方自治体における取り組みや今後の課題,閉鎖性海域の汚濁機構の最新の知見や生態系と水質との関係,改善技術の開発等についてご執筆いただいた。
(担当編集企画委員 環境省水・大気環境局水環境課・辻原 浩)
第6次の水質総量規制 | 環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室 | 5-226 |
松島湾における藻場を利用した環境改善技術 | 深澤 茂之 | 5-232 |
東京湾再生推進会議の今後の展開 | 勢田 明大 | 5-234 |
閉鎖性海域における環境創世プロジェクトの成果と今後の展開 | 山形 陽一,国分 秀樹 | 5-236 |
大阪湾再生の取り組みについて―豊かな「魚庭(なにわ)の海」の回復に向けて― | 大阪湾再生推進会議 | 5-239 |
洞海湾再生の取り組み | 上田 直子 | 5-242 |
中国における閉鎖性海域の環境保全に関する国際交流 | 神田 泰宏 | 5-244 |
内湾への下水流入の影響と水質生態系の応答 | 鯉渕 幸生 | 5-246 |
多自然川づくりの展開
平成2年の「多自然型川づくり実施要領」の策定以降,自然環境や景観に配慮した多自然型川づくりが定着しつつある一方で,市民参加や関係者の連携が不十分で,場所毎の自然環境の特性への考慮を欠いた改修や他の施工区間の工法をまねただけの画一的で安易な川づくりが行われるなど,「課題の残る川づくり」も見られてきました。そこで,これまでの多自然型川づくりの成果と反省を踏まえ,モデル事業のような誤解を与える「型」から脱却し,すべての川づくりの基本を「多自然川づくり」として進める「多自然川づくり基本方針」が平成18年10月に策定されました。本特集では,これまでの多自然型川づくりの課題をふりかえりつつ,新指針やその後の新たな知見や動向等を踏まえ,今後の多自然川づくりの方向性について執筆いただきました。
(担当編集企画委員 鳥取大学工学部・増田貴則)
多自然川づくりの取り組みについて | 吉田 邦伸 | 7-334 |
多自然川づくりの制度と技術の確立に向けて | 島谷 幸宏 | 7-338 |
多自然川づくりにおける水際域の保全と修復 ―水際域の魚類生息場所としての機能を中心として― | 萱場 祐一 | 7-341 |
多自然川づくりに関する住民参画と協働について | 山道 省三 | 7-346 |
多自然川づくりにおける現場技術の事例と課題 | 福留 脩文 | 7-350 |
第42回日本水環境学会年会
第42回日本水環境学会年会は,2008年3月19日から21日までの3日間,愛知県名古屋市の名古屋大学で開催されました。昨年同様,たくさんの論文発表と参加者があり,盛大な年会となりました。本号では,この第42回年会のまとめとして,総括報告,年会優秀発表賞の報告,パネルディスカッションの報告,見学会の報告,水環境ビジネスガイダンスの報告,国際招聘賞受賞者からの報告について特集を企画しました。また,セッション報告については,学会ホームページに掲載しております。 http://www.jswe.or.jpからアクセスしてご覧ください。
(担当編集企画委員 茨城大学工学部・藤田昌史)
総括報告 | 木曽祥秋,大門 裕之 | 6-284 |
トピックス報告 | 6-293 |
水質・土壌等の簡易測定技術の社会での活用と今後
1997年5月号で「水質簡易測定技術の開発状況と応用」の特集記事が組まれてから10年余りが経過しましたが,この間,PRTR法や閉鎖性水域の総量規制制度など様々な法律・制度から市民と行政との連携による水環境モニタリングに至る幅広い分野において,それぞれの目的に見合った形で簡易測定技術が導入されてきています。本特集では,急速に社会全般に普及しつつある水質・土壌等の簡易測定技術の具体的活用事例を紹介していただき,より適切な活用の推進の一助となることを望みます。
(担当編集企画委員 (株)共立理化学研究所・石井 誠治)
簡易測定技術の公的認定と活用のあり方 | 浦野 紘平 | 8-410 |
東京都における土壌中の重金属やVOC等の簡易迅速分析技術の選定と活用 | 佐々木 裕子 | 8-415 |
下水道における水質管理への簡易測定法の活用 | 依田 修 | 8-419 |
製造工程管理における簡易水質測定法の活用事例 | 佐伯 愛子 | 8-422 |
市民による「身近な水環境の全国一斉調査」の取り組み | 井田 泰蔵 | 8-425 |
農業生産における作物・土壌診断のための簡易測定法 | 貝塚 隆史,荻原 勲 | 8-427 |
各種水質測定事例からみた目視比色法の活用とその留意点 | 石井 誠治 | 8-430 |
市民による簡易水質調査の活用と専門家のかかわり | 風間 ふたば | 8-432 |
水道の消毒剤中不純物および消毒副生成物等に関する研究や規制の動向
水道の酸化消毒剤として広く用いられている次亜塩素酸ナトリウムには,不純物として臭素酸や塩素酸などのハロゲン酸が含まれることが知られている。全国の浄水での検出状況に鑑みて,前者は平成16年4月の水道水質基準改正により,後者は平成20年4月の水道水質基準逐次改正により,基準項目として位置づけられた。これを受けて,水道用消毒剤の規格改定や高品質化,また水道事業体における消毒剤の適正管理など,消毒剤中の不純物を低減化する取り組みが行われている。
また,塩素消毒に起因する消毒副生成物に関しては,WHO飲料水水質ガイドラインの逐次改訂作業において,水道水由来の寄与率の変更について検討されており,さらには,臭素化物やヨウ素化物といった新規の消毒副生成物の生成状況や毒性評価等について,国内外での研究が進展している状況にある。 本特集では,水道の消毒剤に含まれるハロゲン酸等の不純物,および消毒副生成物等に関する最近の研究や規制の動向につき論じていただいた。
(担当編集企画委員 国立保健医療科学院・島﨑 大)
近年の水道行政における水道用消毒剤に関する規制 | 竹谷 薫 | 9-496 |
消毒副生成物に関する国内外の研究動向 | 伊藤 禎彦 | 9-502 |
水道水源および消毒剤中のハロゲン酸の存在状況と動向 | 浅見 真理 | 9-508 |
消毒剤の高品位化技術 | 土屋 泰志 | 9-514 |
大阪市水道局における次亜塩素酸ナトリウム由来の塩素酸イオンおよび塩素処理副生成物低減の取り組み | 渕上 知弘 | 9-517 |
廃棄物処分場の浸出水管理の最新動向
廃棄物処分場の浸出水管理のあり方を議論するとともに, 浸出水管理技術および評価手法の最新動向を紹介いただくことを目的として本特集を企画しました。
有害物質の起源や処分場内での挙動,各種処理技術および生態影響評価に関する最新情報を紹介いただくとともに, 廃棄物処分場の有害物質の安全・安心保障の観点から議論いただきました。
(担当編集企画委員 高知大学農学部門・藤原 拓 ゲストエディター 国立環境研究所・山田正人)
廃棄物処分場の有害物質の安全・安心保障 | 小野 芳朗 | 10-572 |
廃棄物最終処分場における透過性反応壁(PRB)による浄化システムとその発展の可能性 | 小野 雄策 | 10-577 |
廃棄物処分場における微量有機化学物質の起源と挙動 | 藤原 拓,小瀬 知洋 | 10-582 |
処分場浸出水の一般水質管理と生態影響評価のあり方 | 毛利 紫乃 | 10-587 |
浸出水処理技術における最新動向と導入事例 | 田路 明宏 | 10-591 |
諸外国における処分場浸出水の水質特性と処理方法 | 石垣 智基,山田 正人 | 10-596 |
微量化学物質の評価と管理
本誌では,1992年,1996年,2003年とこれまで3度にわたり有害化学物質に関する論文特集号を企画してきました。バイオアッセイ(1997年)や分析・評価法(2004年)も合わせますと5度にわたります。これらのように化学物質に焦点が当てられてきましたのは,環境基準の改定や項目追加,環境ホルモン戦略計画(SPEED’98)やダイオキシン類特別措置法の制定,残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の採択など,化学物質が社会的に注目されたことが挙げられます。これらの対象物質につきましては対策が講じられてきましたが,河川水中にPPCPs(医薬品および日用品等由来化学物質)やPFCs(PFOSやPFOA等の有機フッ素化合物)等の未規制微量化学物質が検出されたり,内分泌攪乱物質についての新取組方針(ExTEND2005)の取りまとめや,第三次環境基本計画では化学物質の環境リスクの低減に向けた取組が重点分野政策の一つに位置づけられるなど,化学物質に関する話題に事欠かない状況が最近も続いています。
一方,海外に目を向けましても,ヨーロッパにおける化学物質の登録,評価,認可および制限に関する規則(REACH)のほか,カナダやアメリカ,韓国においても化学物質管理にかかる法制度が2006年に成立・施行されています。
様々な化学物質が私たちの生活に恩恵をもたらしてきたことは事実ですが,私たちの身の回りに存在する化学物質の種類は,非意図的に生成されるものも含め,数十万とも数百万とも言われており,そのすべての挙動や安全性などについて明らかにされているわけではありません。水環境分野においても,微量化学物質に関する調査・研究は盛んに行われているものの,化学物質と共存する社会を構築する上で必要とされる科学的知見はまだまだ不足しているのが現状です。
以上の状況を鑑みて,本特集号では,改めて微量化学物質に着目し,その適正な評価・管理により健全な水環境の構築に繋げるため,広く微量化学物質に関係する論文を募集しました。その結果,8編の論文が受理されました。対象とされた物質は,重金属が2編,PPCPsが2編,農薬,PFCs,界面活性剤,疎水性物質群がそれぞれ1編と多岐にわたり,内容別では,実態調査・動態解析が4編,生物・生態影響が3編,制御・処理に関するものが1編でした。
本特集号が,学会会員の皆様の今後の研究・調査・技術の発展に,大いに役立つことをご期待申し上げます。
(編集査読部会委員 新矢将尚)
第18回論文特集号「微量化学物質の評価と管理」の発刊にあたって | 新矢 将尚 | 11-630 |
ダム湖におけるマンガンの負荷源と底質からの溶出因子の推定 | 伊藤 歩,遠田 和弘,相澤 治郎,海田 輝之 | 11-635 |
水環境中のPPCPsのモニタリングと浄水工程を想定した処理性評価 | 久保田 領志,鈴木 俊也,田原麻衣子,清水久美子,西村 哲治 | 11-643 |
淀川水系における抗生物質,溶存態DNAの挙動と抗生物質耐性菌の特性 | 越川 博元,滝 さやか,井口 彩,小幡 倫大,田中 宏明 | 11-651 |
テトラアルキルアンモニウムの嫌気性微生物に与える影響 | 王 新海,今井 剛,樋口 隆哉,関根 雅彦 | 11-659 |
世界10カ国21都市の水環境におけるPFOS・PFOAの汚染の現況 | 田中 周平,藤井 滋穂,Nguyen Pham Hong LIEN,野添 宗裕,Chinagarn KUNACHEVA,木村 功二,Binaya SHIVAKOTI | 11-665 |
カイミジンコを用いたバイオアッセイによる都市河川底泥の毒性要因の推定 | 渡部 春奈,中島 典之,春日 郁朗,古米 弘明 | 11-671 |
除草剤流出率予測簡易モデルの琵琶湖集水域7水田群に対する適用 | 川嵜 悦子,須戸 幹,三木 俊和,柴原 藤善 | 11-677 |
第11回日本水環境学会シンポジウム
2008年9月17日(水)~18日(木)にわたり,関西大学(千里山キャンパス)にて第11回日本水環境学会シンポジウムが開催されました。今回のシンポジウムは関西支部により組織されたシンポジウム実行委員会のご尽力のもと,各研究委員会による企画,関西支部企画,本部企画による14セッションが開催されました。近年減少傾向にあった参加者数も増加の兆しをみせ,どのセッションも非常に盛況でありました。
本特集では,実行委員会によるシンポジウムの総括報告,各研究委員会によるセッション報告,若手研究紹介セッション報告を取りまとめました。
(担当編集企画委員 オルガノ(株)・宮ノ下友明)
総括報告 | 尾﨑 平 | 12-722 |
研究委員会報告 | 12-728 | |
若手研究紹介(オルガノ)セッション報告 | 12-741 |
■論文
東日本の3水系に生息するヒゲナガカワトビケラの遺伝的多様性の空間階層構造 | 渡辺 幸三,菊池 祐二,風間 聡,大村 達夫 | 1-31 |
環境中の香料及び紫外線吸収剤の多成分同時分析手法の確立と環境中濃度の把握 | 亀田 豊,山下 洋正,尾崎 正明 | 1-39 |
Caを導入した木質炭化物による硝酸性窒素吸着特性 | 横山 理英,林 聡,中西 真,高田 潤 | 1-47 |
水素・酸素および窒素安定同位体組成からみた甲府盆地東部地下水の涵養源と硝酸イオン濃度分布特性 | 中村 高志,長田 淑美,風間 ふたば | 2-87 |
造粒石粉を用いた沿岸底質環境改善材開発のための基礎的研究 ~栄養塩溶出試験およびSkeletonema costatumの増殖試験~ | 浅岡 聡,山本 民次,山本 杏子 | 2-93 |
沿岸域でのスーパーオキシドを介した有機鉄からのFe(II) 生成機構―クエン酸鉄錯体を用いて構築したFe(II)生成速度論モデル― | 藤井 学,淵上 洋輔,伊藤 紘晃,T. David WAITE,大村 達夫 | 2-101 |
浄化槽の処理プロセスにおける 真正細菌群集の変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法による長期間モニタリング | 小泉 嘉一,水谷 篤,三井 綾子,吉村 義隆,福井 学 | 2-109 |
幹線道路へのベンゾ(a)ピレンの堆積特性と予測に関する研究 | 和田 安彦,北東 雄一,三浦 浩之 | 3-149 |
養豚場排水処理施設におけるエストロゲンの季節変動と低減化処理の実態 | 任 勇翔,中野 和典,大堀 雅人,千葉 信男,野村 宗弘,西村 修 | 3-155 |
鳴砂の発音特性に及ぼす環境物質の影響 | 野田 正司 | 4-197 |
高温接触酸化型トイレ実証試験における処理槽内の細菌群集構造解析 | 大坊 彩乃,栗栖(長谷川) 聖,花木 啓祐 | 5-253 |
三次元励起蛍光スペクトル法による霞ヶ浦湖水及び流域水中DOMの特性評価 | 小松 一弘,今井 章雄,松重 一夫,奈良 郁子,川崎 伸之 | 5-261 |
NO3-およびNO2-を電子受容体としたメタノール脱窒リアクターの運転とその脱窒細菌の遺伝子の解析 | 新田見 匡,今井 裕子,中村 一穂,松本 幹治 | 5-269 |
英虞湾における干潟の歴史的変遷とその底質,底生生物への影響 | 国分 秀樹,奥村 宏征,松田 治 | 6-305 |
固体電解質を用いた2槽型オゾン電解併用処理による排水中難分解性有機物および窒素の除去 | 中川 貴裕,岸本 直之,浅野 昌道,水谷 洋 | 7-359 |
香料及び紫外線吸収剤の下水処理場及び環境中への負荷量原単位推定と下水処理場における除去特性の把握 | 亀田 豊,山下 洋正,尾崎 正明 | 7-367 |
琵琶湖集水域水田群における除草剤の流出と流出率予測簡易モデルの開発 | 川嵜 悦子,大久保 卓也,須戸 幹 | 7-375 |
HPLC-PAD法を用いた糖類の高感度分析法への応用と湖水及び藻類由来溶存有機物の糖類組成 | 篠原 梓,今井 章雄,小松 一弘,松重 一夫,奈良 郁子 | 8-447 |
石炭灰造粒物を用いた沿岸底質環境改善材開発のための基礎的研究~栄養塩溶出試験およびSkeletonema costatumの増殖試験~ | 浅岡 聡,山本 民次,山本 杏子 | 8-455 |
長良川河口堰上流水域における植物プランクトンの高濃度化に関するデータ解析 | 丸山 治朗,武村 武,中井 正則,有田 正光 | 8-463 |
手賀沼集水域をモデルとした都市河川の水辺価値選好評価 | 大塚 佳臣,栗栖(長谷川) 聖,花木 啓祐 | 8-471 |
余剰活性汚泥の嫌気性自己分解によるメタン発酵スタートアップ方法及びその過程における微生物群構造の変化 | 小林 拓朗,安田 大介,李 玉友,久保田健吾,原田 秀樹,岡庭 良安 | 9-525 |
土壌および地下水汚染金属アニオンの各種土壌での吸着保持量および共存アニオンの影響 | 大橋 優子,亀屋 隆志,小林 剛 | 9-533 |
都市下水処理を行うMBRにおける膜ファウリング物質の起源 | 三好 太郎,成瀬 拓朗,大給 理江,木村 克輝,渡辺 義公 | 9-541 |
名古屋港の港湾堆積物に含まれるPAH類の環境動態 | 内藤 了二,中村 由行,浦瀬 太郎,奥村 浩幸 | 9-549 |
東京湾2定点における栄養塩類濃度の経年変動 | 神田 穣太,チョムタイソン パチャラー,堀本 奈穂,山口 征矢,石丸 隆 | 9-559 |
浚渫土を活用して造成した干潟生態系の評価 | 中野 陽一,石井 亮,中井 智司,西嶋 渉,岡田 光正 | 10-603 |
水道水中の従属栄養細菌の同定におけるDNA塩基配列解析法と表現性状試験との比較 | 猪又 明子,千葉 隆司,保坂 三継 | 10-609 |
亜硝酸酸化細菌群の窒素酸化履歴に対する最大亜硝酸酸化速度の応答 | 辻 幸志,藤田 昌史,山下 哲生,味埜 俊,赤司 昭 | 11-693 |
都市公園池の富栄養化特性とクロロフィルaとの関係 | 大島 詔,新矢 将尚,北野 雅昭,萩原 拓幸,後藤 薫,土永 恒彌 | 11-701 |
米ヌカを用いた酸性水溶液中の銅イオンの吸着および加熱処理 | 本田 数博,吉川 貴之,佐々木 剛,笹本 忠 | 12-749 |
洗濯洗剤を添加した都市下水を処理する活性汚泥中のポリリン酸蓄積細菌群の嫌気的有機物摂取 | 辻 幸志,藤田 昌史,古米 弘明,坂本 康 | 12-755 |
■ノート
有明海における河川由来懸濁粒子の堆積挙動の推定方法 | 横山 佳裕,中嶋 雅孝,藤井 暁彦,内田 唯史,中西 弘 | 3-163 |
非イオン界面活性剤のPCR阻害抑制効果を用いたクリプトスポリジウムDNAの検出 | 関川 貴寛,川崎 祐 | 9-565 |
雨水浸透桝堆積物による重金属の吸脱着特性 | 藤田 誠,村上 道夫,古米 弘明,春日 郁朗,栗栖 太 | 11-685 |
アレロケミカルである5種のポリフェノールのホザキノフサモからの放出挙動とMicrocystis aeruginosaに対する増殖抑制効果 | 松嶋 夏希,山田 信吾,周 勝,中井 智司,細見 正明 | 12-763 |
■技術報告
環境試料中塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムの定量 | 吉田 寧子,村上 雅志,坂本 保子,村上 高行,富嶋 公明,竹田 菊男,鈴木 茂,堀 雅宏 | 4-203 |
環境水中の4,6-ジニトロ-o-クレゾール及び2,6-ジニトロ-p-クレゾールの定量 | 上堀 美知子,今村 清,服部 幸和,坂東 博 | 6-313 |
わが国の閉鎖性海域の水環境特性分析 | 蛭間 豊春 | 6-319 |
土壌による非イオン界面活性剤の除去とその回収に関する基礎的研究―充填吸引ろ過法による除去― | 篠原 陽子,杉原 黎子,山下 伸典 | 7-383 |
吸着相オゾン酸化によるトリクロロエチレン含有水処理装置の開発 | 藤田 洋崇,藤井 隆夫,迫田 章義 | 10-615 |
環境調和型修復技術の開発―ヘドロ・シードペレットの有効性― | 中薗 孝裕,久岡 夏樹,岡本 智伸,金子 好雄,椛田 聖孝 | 10-621 |
■調査報告
底質の安定同位体比を指標とした子吉川の水環境評価 | 金澤 伸浩,齋藤 修成,漆川 芳國 | 1-53 |
琴引浜における鳴砂の発音特性の変動とその要因 | 野田 正司 | 4-209 |
浚渫跡地での埋め戻しによるアマモ場の回復 | 杉本 憲司,平岡喜代典,谷田 和夫,寺脇 利信,岡田 光正 | 4-217 |
土壌の酸性化した畑地におけるマンガン収支の推定 | 石橋 融子,松尾 宏,馬場 義輝,今任 稔彦 | 5-275 |
流域荒廃の影響を受ける閉鎖性海域の水環境 | 蛭間 豊春 | 6-325 |
茶栽培の振興地域における市街地中小河川のN・P・大腸菌群 | 山本 富久,中曽根 英雄,黒田 久雄,加藤 亮 | 7-389 |
九州北西部,有明海・八代海沿岸域のクリークにおける外来魚類の分布の現状 | 鬼倉 徳雄,中島 淳,江口 勝久,三宅 琢也, 河村 功一,栗田 喜久, 西田 高志,乾 隆帝,向井 貴彦, 河口 洋一 | 7-395 |
小河内貯水池における出水に伴う水質状況の変化 | 北田 真吾,國枝 晴子,田中 繁樹,安藤 敦子,斉藤 滋,宮垣 融, 尾﨑 勝 | 11-707 |
琵琶湖における水温上昇の実態把握とその要因解析 | 中室 克彦,奥野 智史,前澤 希,坂崎 文俊,田口 寛,福永 勲,西海 暢展,加賀城 直哉,服部 幸和 | 11-713 |
下水処理水を受水する河川での臭気強度およびアルデヒド類の濃度 | 浦瀬 太郎,金巻 賢二郎,野口 智史 | 12-769 |